チョコレィトバニー(喰霊小ネタ)
こんにちは。
ちょっと体調を崩していたのを良いことに某マイナーなPCゲームやっておりました辻斬りです。
年に一回くらい衝動的にやりたくなるんだ・・・『風の探索者』シリーズ・・・。
キャラメイクをしてただひたすらダンジョンを探検するだけの単純明快なRPGですが、コレが中々癖になります。
古過ぎて出回ってないと思いますが、見つけた方は一回遊んでみる事をおすすめしますです。
と言うわけで今回は喰霊です。
毎度おなじみ涅槃ラジオ(違)コンビな彼らです。
もうすぐあの時期ですねというわけで。
+++++++++++++++++++++++++
チョコレィトバニー
「チョコ作るわよー!」
あ、またこのパターンですか。
こんにちは皆さん。
桜庭一騎です。
もうすぐ節分ですね。
・・・って、俺は日本の行事に思いを馳せたかった訳なんだが、そうは問屋が卸さないとばかりに、トラブルは俺が豆を炒る為にその豆を買いに行こうと部屋のドアを開けた先で待ち構えていらっしゃったわけで。
そのまま踏ん縛られて連行され、
今現在、俺は自前のエプロンを身につけて台所にいた。
連行された先で用意してあったフリル付きのいわゆる若奥様エプロンは断固拒否させてもらった。
目の前にあるのは、
・カカオの粉
・ミルク
・砂糖
・塩
・型抜き数種類
・バット(野球のではない、料理用の奴)
・包丁
・小麦粉
・卵
・果物数種類
・篩
・ゼラチン
・その他色々
・・・何をするための材料と道具なのかは一目見ればわかった。
菓子作りだ。
間違いなくコレは菓子作りだ。
これで酒の肴を作れと言われたら俺は逃げる。
唐辛子とか青海苔とか紅生姜とかジャガイモとか有るのは何故かは今は考えないで置こうと思う。
季節的に考えても間違いなくアレだ。
バレンタインのチョコレートを作るつもりに違いない。
その前に節分じゃあないのか。
鬼を追い出し福を呼び込むアレはどうなった。
俺たちは日本人だろう。
それにしても偉く本格的な材料が揃っている。
俺を此処まで連れてきた張本人は客観的に見て料理が得意な人間なわけで、まあこの材料を揃えておいてもまず失敗はしないだろうが、普通アレを作るのなら無難に材料用のチョコレートを持ってくるんじゃないのだろうか。
「諫山ー」
声を掛けたが相手はまだ道具の位置を確認するのに忙しいらしい。
「諫山さーん」
見るとあちらには俺の持ち場には無い道具も置いてあったりする。
ガスバーナーと彫刻刀なんて何に使う気だ。
削るのか。
削りだすのかチョコを。
言って置くが市販の溶かすだけ簡単☆なチョコレートと湯煎の設備さえあれば普通に作れるもんだアレは。
と言うかまだ本番までには大分時間あるだろうに。
「作った事ないから自信無いとか、か・・・?」
いやそれは無いだろう。
実際俺、もらった事有るもん。
作りすぎて余っちゃったお菓子とかチョコとか。
上手く作れたのは確実に紀之の口に入り、俺は主に失敗作とか味には問題ないけど若干型崩れした奴とかだったなあそういえば。
失敗、にしても本当に失敗だったのは最初の一回目か二回目あたりまでで、その後は(勿論神楽が加わってからも)俺が外れを引かされる事は無くなってたし。
その辺を考えても、まず諫山がお菓子を作れないなんて事は無いはずなんだが。
というかココまで本格的にカカオから作るタイプだと逆に俺が作れませんよお嬢さん。
・・・ん?
俺が、作れない?
何だか物凄く嫌な予感がし始めた。
「諫山、お前もしかして今回のコレは俺に何か作らせて届けさせようとかそういう思惑あっての事か?」
その嫌な予感に則って道具確認に忙しそうな諫山の肩を掴んでそう問いかける。
言った先で、言われた本人は、というと、
「あら、ばれちゃった?」
けろっとしてやがった。
何だその全く悪びれない態度は。
お前は色んな意味で少しは反省と言う言葉を覚えると良いとお兄さん思うぞ?
とりあえず、だ。
「・・・なんで、んな事計画した?」
ばれたついでに白状してもらおうともういっこ尋ねてみた。
「実はね、冥姉さんと一緒に話してて・・・」
あ、今回もそのパターンなわけね。
話持ってきたのは多分あっちだね。
仲が良いことで実によろしいよね。
見てる分にも心が和むしね。
出来ればその仲の良さを生前に発揮して欲しかったなって思うのは俺だけかな?
己の死因に遠い目をする俺の前で、諫山は実に楽しそうだった。
「今度一緒にバレンタインチョコ作るんだけど、どうせなら一騎も呼ぼうかって話になったんだけど、あんた、作れないでしょ?」
まあ、作った事は無い。
学校の調理実習では米研ぐ係と魚捌く係だったなそういえば。
お菓子系統って事になると、何だかんだで女子の独壇場だった記憶がある。
「だから、今回は練習ってことで付き合ってもらおうと思って」
本番前に練習。
どっかの料理番組に見習わせたい姿勢だよな、これって。
(あの番組まだやってたっけ?)
「・・・で、どうして俺がチョコを作る側なんだよ?」
普通、男はチョコをもらう方が嬉しい。
幾ら製菓会社の陰謀だなんだって言われようとも、日本に生まれ育った男子高校生としてそこは譲りたくないわけで。
「あんたの手作りチョコの方が喜ぶ人いるわよねー?」
うっわ楽しそうですね諫山さん。
ぼやかさなくても誰の事を言いたいかはわかる。
クリスマスの時のパターン的にわかる。
あのおっさんだろ?
二丁目で収穫良さそうな感じだよな。
意外にああ見えてバレンタインの時通りすがりに知らない事務員のお姉さんからチョコ貰ったりするんだぜあの人。
でもな、
「・・・オッサン、甘い物大丈夫だっけか?」
そう。
其処が問題だ。
なんせ相手は酒も飲むしタバコも吸う。
そして良い歳した殿方という奴で。
最近は『男性向けスイーツ』なんてものも出回っては来てるらしいけれど、そういう流行に乗るような人じゃ、無いよなやっぱ。
貰ってるのは過去見た事があっても、それを喜んで食べてるところは記憶に無い。
諫山が作ったお菓子とかは相伴程度に食べてたと思うけれど、チョコはどうだっただろうか。
確か室長からは、こっちの方が良いかと思ってと、洋酒を貰ってたのを見た事が有るし。
差し出された物を突っ返してるのは・・・見た事無いんだが。
「喰ってくれるかな」
思わず口に出た疑問に我に返ると、目の前で諫山がニヤニヤ笑っていた。
いや、俺が疑問なのは、俺が作ったチョコをどうこう以前に相手の食い物に関する好き嫌いであってだな。
「・・・一騎」
なんだよ。
「アンタ最近思考回路可愛くなってきてるわよ?」
・・・・・・。
「誰の所為だ!誰の!!」
反論しながら顔が赤い事に関してはもうこの際追及しないで欲しかった。
ちなみにクリスマスの時と違い、作った後でどう渡しに行くんだよと言う話になったのは、作業開始から数時間経過してからだったのは言うまでも無い。
俺が、自作のチョコレートを無事完成させ、そして諫山言う所の『喜んでくれる相手』に渡せたのかどうかは・・・まあ想像に任せる。
終
+++++++++++++++++++++++++
≪言い訳≫
日付が変わる前に書き終えられなくて残念だ・・・。
今回のBGMは某マッキーの歌のピッチ上げ。
所謂『鶴屋さんのカラオケシリーズ』だねっ!
どうでも良いけれども自分の文体が某作家に近くて微妙な気分です最近。
2009年2月28日・辻斬りマリィ
ちょっと体調を崩していたのを良いことに某マイナーなPCゲームやっておりました辻斬りです。
年に一回くらい衝動的にやりたくなるんだ・・・『風の探索者』シリーズ・・・。
キャラメイクをしてただひたすらダンジョンを探検するだけの単純明快なRPGですが、コレが中々癖になります。
古過ぎて出回ってないと思いますが、見つけた方は一回遊んでみる事をおすすめしますです。
と言うわけで今回は喰霊です。
毎度おなじみ涅槃ラジオ(違)コンビな彼らです。
もうすぐあの時期ですねというわけで。
+++++++++++++++++++++++++
チョコレィトバニー
「チョコ作るわよー!」
あ、またこのパターンですか。
こんにちは皆さん。
桜庭一騎です。
もうすぐ節分ですね。
・・・って、俺は日本の行事に思いを馳せたかった訳なんだが、そうは問屋が卸さないとばかりに、トラブルは俺が豆を炒る為にその豆を買いに行こうと部屋のドアを開けた先で待ち構えていらっしゃったわけで。
そのまま踏ん縛られて連行され、
今現在、俺は自前のエプロンを身につけて台所にいた。
連行された先で用意してあったフリル付きのいわゆる若奥様エプロンは断固拒否させてもらった。
目の前にあるのは、
・カカオの粉
・ミルク
・砂糖
・塩
・型抜き数種類
・バット(野球のではない、料理用の奴)
・包丁
・小麦粉
・卵
・果物数種類
・篩
・ゼラチン
・その他色々
・・・何をするための材料と道具なのかは一目見ればわかった。
菓子作りだ。
間違いなくコレは菓子作りだ。
これで酒の肴を作れと言われたら俺は逃げる。
唐辛子とか青海苔とか紅生姜とかジャガイモとか有るのは何故かは今は考えないで置こうと思う。
季節的に考えても間違いなくアレだ。
バレンタインのチョコレートを作るつもりに違いない。
その前に節分じゃあないのか。
鬼を追い出し福を呼び込むアレはどうなった。
俺たちは日本人だろう。
それにしても偉く本格的な材料が揃っている。
俺を此処まで連れてきた張本人は客観的に見て料理が得意な人間なわけで、まあこの材料を揃えておいてもまず失敗はしないだろうが、普通アレを作るのなら無難に材料用のチョコレートを持ってくるんじゃないのだろうか。
「諫山ー」
声を掛けたが相手はまだ道具の位置を確認するのに忙しいらしい。
「諫山さーん」
見るとあちらには俺の持ち場には無い道具も置いてあったりする。
ガスバーナーと彫刻刀なんて何に使う気だ。
削るのか。
削りだすのかチョコを。
言って置くが市販の溶かすだけ簡単☆なチョコレートと湯煎の設備さえあれば普通に作れるもんだアレは。
と言うかまだ本番までには大分時間あるだろうに。
「作った事ないから自信無いとか、か・・・?」
いやそれは無いだろう。
実際俺、もらった事有るもん。
作りすぎて余っちゃったお菓子とかチョコとか。
上手く作れたのは確実に紀之の口に入り、俺は主に失敗作とか味には問題ないけど若干型崩れした奴とかだったなあそういえば。
失敗、にしても本当に失敗だったのは最初の一回目か二回目あたりまでで、その後は(勿論神楽が加わってからも)俺が外れを引かされる事は無くなってたし。
その辺を考えても、まず諫山がお菓子を作れないなんて事は無いはずなんだが。
というかココまで本格的にカカオから作るタイプだと逆に俺が作れませんよお嬢さん。
・・・ん?
俺が、作れない?
何だか物凄く嫌な予感がし始めた。
「諫山、お前もしかして今回のコレは俺に何か作らせて届けさせようとかそういう思惑あっての事か?」
その嫌な予感に則って道具確認に忙しそうな諫山の肩を掴んでそう問いかける。
言った先で、言われた本人は、というと、
「あら、ばれちゃった?」
けろっとしてやがった。
何だその全く悪びれない態度は。
お前は色んな意味で少しは反省と言う言葉を覚えると良いとお兄さん思うぞ?
とりあえず、だ。
「・・・なんで、んな事計画した?」
ばれたついでに白状してもらおうともういっこ尋ねてみた。
「実はね、冥姉さんと一緒に話してて・・・」
あ、今回もそのパターンなわけね。
話持ってきたのは多分あっちだね。
仲が良いことで実によろしいよね。
見てる分にも心が和むしね。
出来ればその仲の良さを生前に発揮して欲しかったなって思うのは俺だけかな?
己の死因に遠い目をする俺の前で、諫山は実に楽しそうだった。
「今度一緒にバレンタインチョコ作るんだけど、どうせなら一騎も呼ぼうかって話になったんだけど、あんた、作れないでしょ?」
まあ、作った事は無い。
学校の調理実習では米研ぐ係と魚捌く係だったなそういえば。
お菓子系統って事になると、何だかんだで女子の独壇場だった記憶がある。
「だから、今回は練習ってことで付き合ってもらおうと思って」
本番前に練習。
どっかの料理番組に見習わせたい姿勢だよな、これって。
(あの番組まだやってたっけ?)
「・・・で、どうして俺がチョコを作る側なんだよ?」
普通、男はチョコをもらう方が嬉しい。
幾ら製菓会社の陰謀だなんだって言われようとも、日本に生まれ育った男子高校生としてそこは譲りたくないわけで。
「あんたの手作りチョコの方が喜ぶ人いるわよねー?」
うっわ楽しそうですね諫山さん。
ぼやかさなくても誰の事を言いたいかはわかる。
クリスマスの時のパターン的にわかる。
あのおっさんだろ?
二丁目で収穫良さそうな感じだよな。
意外にああ見えてバレンタインの時通りすがりに知らない事務員のお姉さんからチョコ貰ったりするんだぜあの人。
でもな、
「・・・オッサン、甘い物大丈夫だっけか?」
そう。
其処が問題だ。
なんせ相手は酒も飲むしタバコも吸う。
そして良い歳した殿方という奴で。
最近は『男性向けスイーツ』なんてものも出回っては来てるらしいけれど、そういう流行に乗るような人じゃ、無いよなやっぱ。
貰ってるのは過去見た事があっても、それを喜んで食べてるところは記憶に無い。
諫山が作ったお菓子とかは相伴程度に食べてたと思うけれど、チョコはどうだっただろうか。
確か室長からは、こっちの方が良いかと思ってと、洋酒を貰ってたのを見た事が有るし。
差し出された物を突っ返してるのは・・・見た事無いんだが。
「喰ってくれるかな」
思わず口に出た疑問に我に返ると、目の前で諫山がニヤニヤ笑っていた。
いや、俺が疑問なのは、俺が作ったチョコをどうこう以前に相手の食い物に関する好き嫌いであってだな。
「・・・一騎」
なんだよ。
「アンタ最近思考回路可愛くなってきてるわよ?」
・・・・・・。
「誰の所為だ!誰の!!」
反論しながら顔が赤い事に関してはもうこの際追及しないで欲しかった。
ちなみにクリスマスの時と違い、作った後でどう渡しに行くんだよと言う話になったのは、作業開始から数時間経過してからだったのは言うまでも無い。
俺が、自作のチョコレートを無事完成させ、そして諫山言う所の『喜んでくれる相手』に渡せたのかどうかは・・・まあ想像に任せる。
終
+++++++++++++++++++++++++
≪言い訳≫
日付が変わる前に書き終えられなくて残念だ・・・。
今回のBGMは某マッキーの歌のピッチ上げ。
所謂『鶴屋さんのカラオケシリーズ』だねっ!
どうでも良いけれども自分の文体が某作家に近くて微妙な気分です最近。
2009年2月28日・辻斬りマリィ
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