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僕は僕だよ。(絶チル短編)

どうもです。家主がいないのをいいことに好き勝手している居候のカムロです。
拍手ありがとうございます!
毎回思わせぶりな終わり方で申し訳ありません。文才がないんで短くまとめられず……
今回も短編です。そして設定は眠り姫と同じで、皆本元エスパー設定です。
OVA解禁、楽しみです。夏が待ち遠しい……。
Prince of DARKNEESシリーズ



僕は僕だよ。





 気がつけば、僕の目の前に二人の男がいた。



 二人とも酷く驚いていたが、特に色素の薄い髪をひとまとめにした男は、己の手と僕を交互に見て信じられないと、うわごとのように呟いている。

 何がと尋ねようとすれば、隣に立つ四角い顔の男が指を三方向に突き立てて何事かを叫んだ。


 叩きつけられた敵意と恐怖。

 


 何を考えているのか、不思議と理解できた。

ノイズのように、勝手に入り込んでくる誰かの声。

 ああ、僕を人質に誰かを「少佐」のところに連れて行きたかったんだね。


 でも、だめだよ。



 僕が目覚めたからね。



「……破壊の女王……か」




 呟いて、僕をとらえようとした力を『破壊』した。



 パンっ



 乾いた音とともに、力が消える。

 乾いた音は、力を破壊した時に聞こえる、破壊音。

 でもこの音が相手に聞こえるはずはなく、男は力を壊されたことにすら気づかない。

 否。

 そもそも力なんて防がれることはあっても、壊されることはないからね。
 何が起きたのかわからず、男はきょとんと目を瞬く。
 何度も左手を見ては、同じポーズを繰り返し、能力の発動を繰り返した。

 その度に響く破壊音。

 多分、理解出来ないだろうね。確かに力は発動しているのに、力が作用しないなんて。

 特に高超度能力者だと、そのずれは脳の混乱をも引き起こす。

 そうなればもう、僕の勝ちだ。






 だから、その少佐とやらを呼んでよ。





 いや、もう呼んでるか。





「そのくらいでやめてくれないかい、皆本くん」







 降り注いだ声に、僕はゆっくりと振り返る。


 闇色の空を背にした人影に、自然と笑みを浮かべていた。



 名前は聞かなくてもわかる。僕の記憶に彼の名前も、どんな力だったかもあるからね。


 君の力なら、とてもきれいな音が聞けそうだね。



 聞かせてよ。






 きれいな『破壊音』を――









僕は僕だよ
END


調子に乗って黒皆本話を……。
どのあたりが黒いのかよくわからないというお言葉は甘んじで受けます。
これじゃ、黒というよりヤンデ……すみません。
勢いで書いております。

場所を貸して頂いた家主さまに感謝いたします。

では。
2010/4/25 氷雨カムロ拝
 
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Author:辻斬りマリィ&氷雨カムロ
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