Cordyceps

君はだれ？






　人の脳は微弱な電流を発している。


　その電流を乱せば脳に混乱が起きるのは必至。


　彼らはノーマルが人に銃口を押しつけるのと同じ感覚で、『彼』の脳に電流を流した。



　きっかけはそれ。


　敵につかまって攻撃を受けた。


　現場運用主任であれば、十分あり得る事態が起きただけのこと。




　たった、それだけのこと。










　それだけで世界は変わった。












　
　
　仲間のエスパーからの報告に駆けつけた兵部は、あり得ない光景に息をのんだ。

　彼が特別だということは理解している。

　そして表に出ている彼が仮初の姿だと理解もしている。

　本来の彼が目覚めることを切望していたのは事実であり、何度も起こそうとしたのは自分たちだ。

　けれど彼の本質までも変わってしまうとは思わなかった。


「おまえ、誰だ……？」
　

　


　誰何の問いに、『彼』は嗤う。








「さあ、誰だろうね」





　

　刹那、強大な力が彼を襲った。







君はだれ？

ＥＮＤ

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ありがとうございました。
勢いばかりの短文で申し訳ありません…。

氷雨カムロ拝
2010/04/20　ＵＰ